2023.03.11
MIHANEの考える「下草からはじまる、ガーデンデザイン」というアプローチは、従来のデザイン手法とは真逆かもしれません。
これまでのガーデンデザインは、まずは構造物、コンクリートやブロックなどのハードなマテリアルを中心に構成し、その添景として樹木や下草といった植物を考えるといった順序でした。そこで下草はあくまでもお庭の脇役としての素材に過ぎないものでした。一方で、下草からガーデンをデザインするというアプローチは、植物を中心にした自然な景観をお庭に造り出す方法です。下草は地面に広がる小さな植物であり、一見地味な存在のように思われますが、実はガーデンやエクステリアのデザインにおいてとても重要な存在です。
下草は芝生や高木などと組み合わせることで、色味やテクスチャーなど、全体の視覚的バランスを作り出します。例えばヒューケラやギボウシなど日陰の場所であってもお庭を明るく演出します。またお庭に石や枕木などで小路をつくり、野趣あふれる水仙や桜などを植えることで、小さい頃にみた里山の原風景を再現することもできます。
下草や高木といった植物が作り出す、季節感は他のマテリアルでは再現ができません。木材や石などの天然素材でも、経年変化の美はあっても四季の変化を演出することは不可能です。庭の梅が咲き始め、春が始まり、梅雨とともに紫陽花が咲き、秋に紅葉を愛でる。そんな季節の移り変わりを表現できるのは、下草や樹木といった植物だけです。
イングリッシュガーデン、ドライガーデン、そしてアウトドアリビングなど、様々なスタイルのお庭が混在するこの頃ではありますが、大好きなお花、下草、樹木などを主役に、あなただけのお庭の計画を始められたらいかがでしょう。
あなたとお庭の新しい関係が必ず生まれると思います。